ルーター

ルーターには業務用や家庭用、また、用途に応じて様々な種類があり、 このページは一般家庭向けルーターについて書いてあります。

本来、「ルーター」は業務用、家庭用を含む総称であって、その中で、 家庭用ルーターは、「ブロードバンド・ルーター」と呼ばれることが一般的ですが、 このページでは、「ブロードバンド・ルーター」を「ルーター」と略して表記しています。

一般家庭向けとして販売されているルーターの中にも特殊な機能を具備した(マニアックな?) 製品はあるのですが、ここでは家庭用ルーターとして最低限必要となる主要な機能についてのみ書いています。

有線WAN、有線LAN、無線LAN

家庭向けルーターの小さな箱の中に入ってる機能は2つか3つに大別できる。

  • ○有線WAN+有線LAN
  • ◎有線WAN+有線LAN+無線LAN

2つ入りより3つ入りの方が価格が高くてもよさそうなものだけれど実際には・・・

年々多機能な製品の低価格化が進んでいてほとんど価格差が無い。

(メーカーとしては、3機能入りをメインに作った上であえて1機能を削った2機能 製品をリリースする手間は価格差にみわない労力ゆえ避けたいハズ)

そんな状況なのでメーカーによっては半年(や毎年)といった周期での新製品リリースを控え発売時期に間隔を置いている。

よって市場では、人気があってのことではなく継続販売されている安価な製品もあれば、そういった製品の価格に対抗すべく新規投入される 廉価版(仕様、機能、材質、品質等に条件が付く)が混在している。

また、発売開始直後であればコンセプトが廉価版であっても実勢価格が高目となることはある為、ルーターのような価格差が無い市場では、 必ずしも「価格が安い製品は価格の高い製品に劣る」とか「新しい製品は古い製品に勝る」といったことにはならないので、 購入する際には安易に選定しないようにすることをおすすめする。

なお、「1円でも安い製品を買いたい」といった事情のある購買者や、「運が良ければ必要十分な働きをしてくれるかも?」といった 宝くじ愛好家的な購買者も少なくはないので、その集計結果が「売れ行きランキング」の上位に残念な製品が含ませていることがある点も 考慮することをおすすめする。

有線

有線速度について製品パッケージにはなばなしく「1G(ギガ)」とか「Giga」と書かれているものが主流となっているが、これは、「1ギガビット」であって「1ギガバイト」ではない。

また、1Gもの速度で通信するなら「ジャンボフレーム(Jumbo Frame)」と呼ばれる機能仕様が通信機器同士で一致していることが望ましいが、メーカ(や製品)によって仕様が異なっている。

(意図的にか?は判らないが・・・「Jumbo Frame利用には、PC他、そのネットワークの全て機器が、Jumbo Frameに対応していること」といったグレーな表記が多く、フレームサイズ不一致に言及していないメーカーが多い)

よって、パッケージのはなばなしさほどには、高速な通信であると体感できないケースの発生は否定できないので、過度の期待はしない方が無難。

といった面を除けば、過去に発売された製品の具備する基本的な2機能(有線WAN+有線LAN)はほぼ成熟していて、 既に必須な性能には達していることから、それ以上の高速化などよりも、近年の新製品では直接的な性能以外の部分、 小型化、省電力化などが目立つ変化となっている。

ちなみに、少し前の製品と新製品の有線部分での差異といった面では僅かな変化、マニア向けとも言える一部の消費者向け機能(QoS等)の充実程度。

無線

少し前、ルータを買いに出かけたら、無線の有無では価格差が無いと気付き『今はまだ無線機能は不要だけれど・・・』

『使わない機能が付いていても使わずにおけば良いだけだし、そのうち使う時が来るかもしれないから。』と、いったことで、 ルーターの「オマケ」機能として見られていたが、近年、ゲーム機他、無線端末の増加につれ、まるで渓谷の温泉旅館のように、 無線部分には現在も改修や増築が続いていて、この流れは当面続きそうな気配がある為、 所有する無線端末の仕様と過不足の無い仕様が揃ったタイミングを見計らって購入しないとならない。

よって、後年「オマケ」部分を使おうとしたら、購入したての無線端末とは相性が悪かったので、 無線付きルータを買いなおすといったケースも生じている。

無線 5GHz帯・2.4GHz帯両対応

必ずしも「5GHz対応のルーターだから早い!」なんてことはなく、もっと早い「2.4GHz対応(のみ)のルーター」もある。

ラジオ放送やテレビ放送の各々で、放送周波数の異なる放送局から同じ音楽を受信した際、聞こえてくる音楽に違いはない。

5GHzと2.4GHz、2倍近い周波数の違いがあるからといって、ルーターと他の機器との間でやりとりされるデータの転送速度が大幅に異なるようなことはない。

また、5GHzのCPUが1つ搭載されたPCと、と2.4GHzのCPUが4つ搭載されたPCでは、後者の方がPCでの処理内容によっては多くの場合で処理能力が高い。

同様な仕組み(並列化)はルーターにもあり、5GHzに対応したルーターで伝送速度(理論値)が、300Mbpsの製品もあれば、5GHzに対応していない2.4GHzのみに対応したルーターで伝送速度(理論値)が、450Mbpsの製品もある。

しかしながらまた、この300Mbps、450Mbpsは「メガビット/秒」であって、毎度おなじみ?メーカーが好んで使う理論値(≒マヤカシ)でもある。

高速な300Mbps機種の実効スループットと低速な450Mbps機種の実効スループットとの差は「二十数メガビット/秒」しかないことと、メーカーが計測した実効スループットと同程度の速度をユーザが計測すると得られないといったことが通例なこととを併せて踏まえると、その速度差は更に圧縮されてしまい、その結果(見方によっては)あまり大差ないことにもなる。


[実勢価格調査用リンク]

無線 2.4GHz帯のみ対応

Webにはルーターについて書いているブログ等が多数あり、「IEEE802.11n」とか「11n」に対応している製品を「5GHz」に対応しているかのように誤解させる記載となっている場合がある。

例えば、「5GHzで高速通信したい場合、過去のしがらみ(無線端末機器)がなく、今後新規に購入するならIEEE802.11n(11n)が断然おすすめ!」といったような記載。

しかし、「11n」、「IEEE802.11n」といった通信仕様自体には「5GHz」も含むが、「11n」、「IEEE802.11n」といった仕様に対応した製品であっても、必ずしも「5GHz」に対応しているとは限らない。

逆に今後「5GHzのみ対応」といった製品が絶対に発売されないとは誰にも言えないことも含め、ルーターを選ぶ際には、製品の採用した通信仕様(11n等の表記)でなく、製品への実装仕様を確認することをおすすめする。


[実勢価格調査用リンク]